人工心肺を用いた体外循環について誤っているのはどれか。
1: 体重あたりの適正灌流量は小児では成人に比べて多い。
2: 血液希釈により末梢血管抵抗は低下する。
3: 低体温により血中酸素溶解度は低下する。
4: 低体温によりヘモグロビンの酸素結合力が高くなる。
5: 低体温により血液粘稠度は上昇する。
適性灌流量は、「体表面積×体外循環係数(PI)」から算出する。体温が低下するほど低くなり、体が大きくなるほど体表面積あたりの流量は減少する。一般に28℃前後の中程度低体温では、成人で2.3~2.5L/min/m2、小児で2.4~2.6L/min/m2、新生児で2.4~3.0L/min/m2と言われている。低体温では、動脈圧、脈拍数ともに減少し、末梢血管抵抗は増大する。血液粘性抵抗も体温が下がるにつれ増大し、細動脈収縮もあり臓器血流を減少させる。そのため、通常の開心術では血液希釈法を用いて、血液粘稠度を減らし、血管抵抗を減らしている。
1:一般に28℃前後の中程度低体温では、成人で2.3~2.5L/min/m2、小児で2.4~2.6L/min/m2、新生児で2.4~3.0L/min/m2と言われている。小児では成人と比べて適正灌流量は多い。
2:通常の開心術では血液希釈法を用いて、血液粘稠度を減らし、血管抵抗を減らしている。
3:正解。低体温により血中酸素溶解度は増加する。
4:低体温により酸素解離曲線は左方移動する。低体温によりヘモグロビンと酸素の結合能力は高まる。
5:血液粘性抵抗も体温が下がるにつれ増大し、細動脈収縮もあり臓器血流を減少させる。そのため、血液希釈法を用いている。