膜型人工肺について正しいのはどれか。2つ選べ。
a: 人工肺は血液ポンプの入口側に接続する。
b: ガス流量を増やすと二酸化炭素除去量は減少する。
c: 外部灌流型は内部灌流型より血液の圧損失が高い。
d: 均質膜は貫通孔をもたない。
e: 血漿漏出によるガス交換能低下時は人工肺を交換する。
膜型人工肺は、ガス透過可能な外径200~300μm程度の中空糸膜を数千~数万本を束ねた中空糸からなる。灌流形式としては、中空の内側を血液が流れる内部灌流型と、中空糸の外側を血液が流れる外部灌流型が存在する。現在は、圧力損失が少なくガス交換能も優れているなどの理由から、外部灌流型が主流となっている。人工肺の膜素材は、均質膜、多孔質膜、複合膜、非対称膜の4種類が存在する。非対称膜(ポリメチルペンテン膜)が現在主流の膜素材である。吹送ガスの酸素濃度を上昇させれば動脈血酸素分圧は上昇する。下げれば低下する。吹送ガスの酸素流量を上昇させれば二酸化炭素分圧は低下する。下げれば上昇する。
a:人工肺は血液ポンプ出口に接続する。
b:吹送ガスの酸素流量を上昇させれば二酸化炭素分圧は低下する。つまり、二酸化炭素除去量は上昇する。
c:圧力損失が少なくガス交換能も優れているなどの理由から、外部灌流型が主流となっている。
d:正解。均質膜に貫通孔はない。均質膜は、シリコン膜が原材料であり、ガス透過性に優れ、血液の凝固や沈着も少ない素材である。しかし、機械的強度が低く、薄膜化しにくい欠点がある。
e:正解。血漿漏出(plasma leakage)は、長時間の使用で膜表面がタンパク吸着により変性し、疎水性の膜が親水化してしまうことによって、微細な孔から血漿成分が漏出する現象である。酸素加能、二酸化炭素排出能の評価を行い、酸素需給バランスが整わない場合は、人
工肺の交換を検討する。