解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第21問

出血傾向を示すのはどれか。3つ選べ。

a: 血友病

b: vonWillebrand病

c: ビタミンK欠乏症

d: 血管性紫斑病

e: ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

出血傾向とは、何らかの原因で止血機序が破綻し、出血が抑制できない状態のことをいう。種々の疾患、あるいは医薬品によっても引き起こされ、軽症のものから死に至るものまで多岐にわたる。原因となる疾患は、血友病、ヴォン・ヴィレブランド病、グランツマン血小板無力症、特発性血小板減少性紫斑病・血栓性血小板減少性紫斑病・巨大血小板性血小板減少症、Bernard-Soulier症候群、白血病、ウィスコット・アルドリッヒ症候群、ビタミンK欠乏症、肝硬変、ウイルス性出血熱の一群(デング出血熱等)、溶血性尿毒症症候群、播種性血管内凝固症候群(DIC)等がある。

a:正解。血液凝固因子のうちVIII因子、IX因子の欠損ないし活性低下による遺伝性血液凝固異常症である。第VIII因子の欠損あるいは活性低下によるのは血友病A、第IX因子の欠損あるいは活性低下によるのは血友病Bである。A型もB型も症状は同じで、血液凝固因子の不足により血液の凝固異常が起こる。出血様式は深部出血が中心で、特に関節内や筋肉内で内出血が起こりやすく、進行すると変形や拘縮を来たす。

b:正解。フォン・ウィルブランド因子の遺伝的欠損症で血小板の機能異常をおこす。症状は紫斑、鼻出血、歯肉出血、粘膜出血などの表在性の出血、また血便、消化管出血、性器過剰出血もみられる。

c:正解。血液凝固能の低下し、二次止血障害による出血傾向を示す。

d:アレルギー性機序により血管が障害を受け、四肢末梢の紫斑を主としたさまざまな症状を呈する疾患である。

e:抗凝固薬であるヘパリンの投与を原因とする血小板減少症である。血小板はトロンビンを活性化する微粒子を放出するため、HITは血栓症の素因となる。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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