解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第38問

ハイパーサーミアについて正しいのはどれか。3つ選べ。

a: 病巣を42℃以上に加熱する。

b: 連日の加温治療により熱耐性が生じる。

c: 抗癌剤の作用増強効果がある。

d: RF加温法では300MHz~30GHzの電波を使用する。

e: マイクロ波加温法は深部病巣への到達性が高い。

ハイパーサーミア(温熱療法)は、電磁波や超音波を用いて癌細胞を加熱(42℃以上)し、がんを死滅させる治療法である。癌細胞は正常細胞に比べて熱に弱いため、癌細胞だけを選択的に加熱して破壊することができる。
患部の前後に置いた対極版の間にラジオ波(RF波)、マイクロ波、超音波を発生させ、身体の深部に熱を発生させる。

a:正解。電磁波や超音波を用いてがん細胞を加熱(42℃以上)し、がんを死滅させる治療法である。

b:正解。体が温められると、熱ショック蛋白(Heat Shock Protein:HSP)が産生される。このHSPが産生されると熱耐性を持つため、連日で加温すると効果が出ない。HSPは加温後72時間以内で消失するため、72時間以上の間隔をあけて治療を行うと効果的である。

c:正解。ハイパーサーミアで加温することにより血流が増加し、抗癌剤の癌細胞内への移行が促進され抗腫瘍効果が増強される。さらに抗癌剤で損傷した癌細胞の修復が抑えられることにより、抗癌剤投与量の低減につながる可能性がある。

d:ラジオ波(RF波)では30 MHz~300 MHz、マイクロ波では300 MHz~3 GHzの周波数が用いられる。

e:マイクロ波は、短波長のため組織内での減衰が大きく、深部まで加熱することは難しいため、表在性の腫瘍や食道など体腔内の加温に適している。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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