解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第30問

経皮的血液ガス分析装置について誤っているのはどれか。

1: 新生児のモニタリングに用いられる。

2: 皮膚表面を43℃程度に加温する。

3: 経皮的に測定されたPtcO2はPaO2よりも高値を示す。

4: 電極はガス透過膜を介して皮膚と接触する。

5: 血液から皮膚表面に拡散するガスを測定する。

経皮的ガスモニタリングとは、皮膚の毛細血管から拡散により皮膚表面に到達したO2やCO2分圧を直接測定し、その分圧(PtcO2とPtcCO2)からPaO2とPaCO2を推定する手法である。
電極には通常の血液ガス分析と同じクラーク電極(PtcO2)セバリングハウス電極(PtcCO2)が使われている皮膚を42~44℃に加温すると、皮膚温の上昇を防ぐために局所の血管が拡張し血流量が増加する。この血流量の増加は毛細管血の酸素分圧の上昇と炭酸ガス分圧の低下を招き、結果として毛細管血は動脈血化する。加温された皮膚表面に電極を設置し、毛細管から拡散してきたガスの分圧を計測することにより経皮的にかつ連続的に血液ガス分圧が測定できる。

1:経皮ガスモニターは高酸素血症が評価できるので未熟児網膜症の予防に、また PaCO2 が測定できるので、過換気や低換気を防ぎ慢性肺疾患や脳室周囲白質軟化症の予防に役立つ可能性がある。HFO による人工呼吸中は振動のためにパルスオキシメーターでの測定が難しい場合があり、経皮ガスモニターが有用である場合もある。

2:計測皮膚面を42~44°Cに加温する。 

3:正解。成人では皮膚の血管が少なく、厚いため加温効果が不十分となり、酸素の拡散が減少しPtcO2はPaO2よりも低値を示す。表皮の代謝の影響でPtcCO2はPaCO2よりも高値を示す

4:皮膚表面のセンサーでは、テフロンの電極膜を通過した酸素が白金電極と銀電極により測定される。二酸化炭素は内部の緩衝液と化学反応を起こし水素イオンが発生する、その際の pH の低下をガラス電極と銀電極で捉えることで二酸化炭素が測定される。

5:毛細管から拡散してきたガスの分圧を計測することにより経皮的にかつ連続的に血液ガス分圧が測定できる。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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