感染を契機に発症する疾患はどれか。
1: 重症筋無力症
2: パーキンソン病
3: 筋萎縮性側索硬化症
4: ギラン・バレー症候群
5: 進行性筋ジストロフィー
筋肉や末梢神経、脊髄の運動神経が原因の病気を総称して、神経筋疾患(Nuero Mascular Desease:NMD)と呼ぶ。代表的な疾患として、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、ギラン・バレー症候群、筋ジストロフィーなどがある。症状・障害が進行する疾患である、高齢になるほど有病率が高い、定期的に医療を受ける必要がある、障害に応じたリハビリテーションを受ける必要がある、などの特徴がある。
分類
筋疾患筋: ジストロフィー、先天性ミオパチー、炎症性筋疾患など
末梢神経疾患: 遺伝性ニューロパチー(Charcot-Marie-Tooth病)、CDIP、ギランバレー症候群など
神経筋接合部疾患: 重症筋無力症、先天性筋無力症など
脊髄性筋萎縮症
1:重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)は、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患である。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすい。
2:パーキンソン病は、振戦、動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こることが多い病気である。大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こる。
3:筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)は、脳にある運動機能に関係する神経細胞(運動ニューロン)に障害が出る疾患である。障害によって脳の指令が筋肉に伝わらなくなって手や足、そして、口などを動かす筋肉が衰えていく。
4:正解。ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre Syndrome:GBS)は、感染症などをきっかけにして、免疫のシステムが異常になり、自己の末梢神経を障害してしまう自己免疫疾患である。末梢神経の障害によって、力が入らない、感覚がわかりにくい、しびれるなどの症状を起こす疾患である。 多くの場合、発症前1ヶ月以内に風邪症状や下痢といった感染症の症状(先行感染)がみられる。
5:進行性筋ジストロフィー(dystrophia musculorum progressiva:DMP)は、遺伝子の変異によって筋肉が破壊されていく遺伝性疾患である。筋力低下や筋萎縮が進行し、運動機能の低下や関節の拘縮などの症状が現れる。