解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第90問

分子間力に関連するのはどれか。2つ選べ。

a: ファンデルワールス力

b: 共有結合

c: 金属結合

d: イオン結合

e: 水素結合

分子間力は、分子同士や高分子内の離れた部分の間に働く電磁気学的な力である。結合の強さを強い順に並べると、次のようになる。
①イオン間相互作用、②水素結合、③双極子相互作用、④ファンデルワールス力である。
これらの力はいずれも静電相互作用に基づく引力である。イオン間相互作用、水素結合、双極子相互作用は永続的な陽と陰との電気双極子により生じるが、ファンデルワールス力は電荷の誘導や量子力学的な揺らぎによって生じた一時的な電気双極子により生じる。
結晶とは、原子、分子、またはイオンが、規則正しく配列している固体である。結合の種類によって結晶は次のように分類される。
共有結合結晶、イオン結晶、金属結晶、分子結晶(ファンデルワールス結晶、水素結合結晶)である。

a:正解。ファンデルワールス力は、電荷的に中性な原子や分子においても分子間力が作用する。気体が冷却されて液体や固体になるのは、分子間力が存在するためである。

b:共有結晶の中で各原子どうしは強い結合を形成する場合があり、その結果、融点が高かったり硬い性質を持つ場合がある。通常、電気伝導性はほとんどない。

c:金属結合とは、延性、展性、電気伝導性や熱伝導性に富み、独特の金属光沢をもつ。

d:イオン結合とは、強い結合なのでイオン結晶は融点が高く、硬い性質を持つ場合が多いが、脆くて壊れやすい性質ももつ。

e:正解。水素結合とは、多数の分子が分子間の相互作用で規則正しく配列してできている結晶のこと。一般に、共有結合結晶やイオン結晶に比べて柔らかく、融点も低い。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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