解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第51問

ブラシ付きDCモータに比べたブラシレスDCモータの特徴で誤っているのはどれか。

1: 耐久性に優れている。

2: 静音性に優れている。

3: 回転子にコイルを用いる。

4: 専用の駆動回路が必要である。

5: 回転子の位置検出が必要である。

直流電源で回転するモーターを「DCモーター」という。

ブラシ付DCモーターは、「永久磁石界磁型モーター」と「電磁石界磁型モーター」に大別される。
永久磁石界磁型モーター:ステーターに永久磁石を用いたDCモーターである。電機子の形式によって、「スロット型」「スロットレス型」「コアレス型」の3種類に分けられる。
電磁石界磁型モーター:電磁石界磁型のDCモーターは、永久磁石ではなく電磁石によって界磁束を発生させるモーターである。「分巻モーター」「直巻モーター」「他励モーター」の3種類に分けられる。

ブラシレスDCモーターは、ローターに永久磁石、ステーターにコイルを用いる構造になっているため、整流子がなく、ブラシもない。ステーターのコイルに流す電流を制御して、ロータの回転方向や回転速度を変えることができる。

ブラシ付きDCモーターブラシレスモーター
ローター構造コイル永久磁石
ステーター構造永久磁石コイル
制御機構ブラシと整流子インバーター回路
ローター位置検出不要必要
起動容易制御必要
速度可変容易制御必要
正転/逆転容易制御必要
制御性良い良い
耐久性低い高い
価格比較的安価制御回路含めると少々高い

1:ブラシレスDCモータは、摩耗するブラシが存在しないため、耐久性に優れる。

2:ブラシレスDCモータは、摩耗(摩擦部)するブラシが存在しないため、静音性に優れる。

3:正解。ブラシレスDCモータは、ローター(回転子)に永久磁石、ステーター(固定子)にコイルを用いる構造になっている。

4:モータを回転させるためには、モータ巻き線に流れる電流の向きを変えて回転磁界を作る必要がある。ブラシレスDCモータでは、トランジスタやFETなどの半導体スイッチにより電流の向きを変化させて回転磁界を作っている。半導体スイッチを順番につないで回転磁界を作り、モータを回転させる一連の操作を行うために、駆動回路が必要となる。

5:半導体スイッチを順番につないで回転磁界を作り、モータを回転させているが、このスイッチングには、ホールセンサーによる回転子の位置の検知が必要となる。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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