解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第39問

電撃に対する人体の反応で正しいのはどれか。

1: 心臓に10 µAの商用交流電流が直接流れると心室細動が誘発される。

2: 体表に10 mAの商用交流電流が流れると筋肉が不随意的に収縮する。

3: 感知電流の閾値は1kHzを超えると周波数に比例して下がる。

4: マクロショックによる心室細動誘発電流閾値は最小感知電流の1000 倍である。

5: 交流電流は直流電流に比べて生体組織に化学的変化を起こしやすい。

人体は非常に感電しやすく、微弱な電流でも感電し、感電によって人体に障害が及ぶことを電撃という。
人体の電撃反応は、接触部位、接触面積、接触時間、電流波形などによって異なる。
マクロショックは皮膚(体表面)から電流が流れるのに対し、ミクロショックは心臓に直接電流が流れることをいう。

電流値人体の反応
100 mA
(心室細動電流)
体外からの電撃により心室細動を誘発する
10 mA
(離脱限界電流)
不随意運動が起きて自力で逃げられなくなる
1 mA
(最小感知電流)
ビリビリ感じ始める
マクロショック
電流値人体の反応
0.1 mA
(心室細動電流)
心臓に直接流れる電流により心室細動を誘発する
ミクロショック

1:ミクロショックによる心室細動電流は、0.1 mA(100 μA)である。

2:正解。マクロショックによる離脱限界電流は、10 mAである。筋肉が不随意的に持続収縮を起こし行動の自由を失う。

3:人体は1kHzを越える電流には、周波数に比例して感電閾値が上昇する。高周波になればなるほど感じにくくなる電撃に対する周波数特性が存在する。

4:マクロショックによる心室細動誘発電流閾値は最小感知電流の100 倍である。

5:直流により電解質溶液(人体組織)の電気分解によって生じる有害物質が人体組織を損傷する恐れがある。患者漏れ電流及び患者測定電流には直流規制値があり、交流に比べ厳しい基準が設けられている。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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