超音波凝固切開装置について正しいのはどれか。
a: 50MHz前後の振動を用いる。
b: 先端は10~20mmの距離で振動する。
c: 生理食塩液を使用する。
d: 凝固温度はレーザメスよりも低温である。
e: 対極板は不要である。
超音波凝固切開装置は、超音波振動によって組織を凝固・切開する手術機器である。電気メスと異なり、電気エネルギーを周波数45~55kHz前後の力学的エネルギーに変換して使用される。電気エネルギーを超音波振動に変換し、振動するアクティブブレードと組織の間で生じる摩擦熱で蛋白質を凝固しながら、摩擦により組織を物理的に切断する。組織に電流は流れない。電気メスと比べて低い温度(80~100℃)で凝固切開を行うため、周囲組織へのダメージが少ない。
a:周波数45~55kHz前後の超音波振動で摩擦により組織を物理的に切断する。
b:アクティブブレードの先端は、50~100µmの距離で振動する。
c:超音波凝固切開装置では用いない。超音波吸引装置は、生理食塩液を術野の洗浄や冷却のために用いる。超音波吸引装置は腫瘍を超音波で砕いて吸引除去する機器である。
d:正解。電気メス(100℃以上)と比べて低い温度(80~100℃)で凝固切開を行う。
e:正解。組織に電流は流れないため、対極板は不要である。