画像計測について誤っているのはどれか。
1: PETはX線CTよりも画像の解像度が高い。
2: X線CT像では脂肪よりも筋肉の方が高いCT値を示す。
3: ディジタルX線画像はDICOM形式で保存される。
4: MRI撮影ではT1緩和とT2緩和が同時に進行する。
5: SPECTでは断層像が得られる。
医療における画像計測とは、X線やCT、MRIなどの画像を用いて、患者の組織や器官の状態を計測する技術である。病気の有無や広がり、性質を調べる画像検査(画像診断)に役立つ。
1:正解。PET(positron emission tomography:PET)検査とは、 放射能を含む薬剤を用いる核医学検査の一種。放射性薬剤を体内に投与し、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化を行う。臓器の機能を知りえる検査ではあるが、X線CTなどに比べると空間分解能は低い。
2:CT の画像はX線の吸収係数の分布を表しており、一つひとつの画素はX線の吸収係数を表すCT 値を有している。CT値は水を0、空気を-1000としている。人体各組織の代表的なCT値は、骨・石灰化>凝固血液>甲状腺> 肝臟>血液>水>脂肪>空気の順に低く、脳の灰白質と白質の比較では灰白質のほうがやや高い。
3:DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine:DICOM)は、CTやMRI、CRの医用画像フォーマット、医用画像機器間で用いる通信プロトコルについて定義する、医用画像の共通規格である。 医用画像共通フォーマット、通信フォーマットであるDICOMによって、異なるメーカー間における医用画像機器の共有化を実現している。
4:MRIのT1強調像とT2強調像は、同時に撮影することができる。T1強調像とT2強調像から得られる相補的な情報により、異常の特徴を把握することができる。T1緩和は縦緩和とも呼ばれ、縦方向の磁化ベクトルが時間とともに熱平衡状態に戻る緩和過程のことである。T2緩和は横緩和とも呼ばれ、横方向の磁化ベクトルが時間とともに減衰する緩和過程のことである。
5:SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)検査は単一光子放射断層撮影とも呼ばれ、微量の放射性物質 RI を含む薬剤を投与して、その薬剤の分布から断層像を得る検査である。