解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第26問

医用計測機器で内部雑音の発生要因になるのはどれか。

a: 近隣への落雷

b: 機器の接地不良

c: 抵抗器の温度上昇

d: 電子部品の接触不良

e: 電子部品間相互の電磁誘導

計測機器の内部雑音の発生要因には、急激な電流変化や静電気、電子部品の熱運動、近接する基盤や配線、アナログ信号のデジタル変換などがある。
雑音には、装置自体から発生する内部雑音と、装置の外部から侵入する外部雑音がある。
内部雑音は、熱雑音、ハム雑音、ショット雑音、フリッカ雑音、誘導雑音、クリック雑音などがある。
外部雑音は、静電誘導によるもの、電磁誘導によるもの、漏れ電流によるものなどが挙げれれる。

種類発生原因
熱雑音抵抗の中の電子が熱により不規則に運動することにより発生する雑音
ハム雑音交流電源の周波数(50Hzまたは60Hz)が信号に混入して発生する雑音
ショット雑音電気回路や光学装置などの電子や光子の数に統計的な変動が生じることで発生する雑音
フリッカ雑音自然界のあらゆるゆらぎに見られる低周波側で大きくなる雑音
誘導雑音ノイズ電流が流れているラインに周辺機器の電源線や信号線が近づくことで発生する雑音
クリック雑音回路の接触不良により発生する雑音

a:外部雑音である。雷が落ちるときに異常高電圧が発生し、過大電流が流れることを雷サージ(高電圧、低周波)と言う。雷サージの種類は、直撃雷サージと誘導雷サージに分けられる。雷サージは、電気機器は絶縁破壊や機能停止、劣化などの影響を受ける。

b:外部雑音である。適切にアースが接続できていないと、電磁誘導による少量の電流が回路間に流れ込み、雑音が信号に混入する。

c:正解。熱雑音は、抵抗の中の電子が熱により不規則に運動することにより発生する内部雑音である。

d:正解。クリック雑音は、回路の接触不良により発生する内部雑音である。

e:正解。誘導雑音は、電磁誘導や静電誘導によって発生する内部雑音である。ノイズ電流が流れている線に、他の機器の電源線や信号線が近づくことで発生する。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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