分節麻酔が可能な麻酔法はどれか。
1: 吸入麻酔
2: 表面麻酔
3: 静脈麻酔
4: 硬膜外麻酔
5: 浸潤麻酔
麻酔の方法は、大きく全身麻酔と局所麻酔に分けることができる。
全身麻酔は主に脳(中枢神経)に作用して、患者を眠らせ意識をなくす方法である。全身麻酔薬は静脈から血液に投与する静脈麻酔薬(プロポフォール、チオペンタールなど)と、肺から血液に投与する吸入麻酔薬(笑気、セボフルラン、デスフルランなど)に分けられる。
局所麻酔は患者の意識はなくならない麻酔法で、脳や全身に及ぼす影響や副作用は基本的には全身麻酔に比べ少なくなる。全身麻酔以外の麻酔は広義の意味で局所麻酔と呼ばれる。
1:吸入麻酔とは、気道を介して麻酔薬を投与し、脳に作用させる全身麻酔の一種。主に使用されているのは、笑気(亜酸化窒素)、セボフルラン(ハロゲン化麻酔薬)、イソフルラン(ハロゲン化麻酔薬)、デスフルラン(ハロゲン化麻酔薬)である。
2:表面麻酔とは、歯茎や粘膜の表面に麻酔薬を塗布して、感覚を麻痺させる処置で局所麻酔の一種。
3:静脈麻酔とは、血管(静脈)から鎮静剤を注入して全身的な鎮静や意識喪失を引き起こす方法で全身麻酔の一種。
4:正解。硬膜外麻酔とは、背中にカテーテルを挿入して脊髄の近くにある硬膜の外側に麻酔薬を注入する麻酔法で、局所麻酔の一種。特定の脊髄神経に作用し、分節麻酔を実現する。分節麻酔が可能なのは、硬膜外麻酔のみである。
5:浸潤麻酔とは、皮膚や皮下、粘膜に局所麻酔薬を注入することで目的とする部位の知覚神経を一時的に麻痺させる方法で局所麻酔の一種。