解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第17問

甲状腺クリーゼでみられる症状について誤っているのはどれか。

1: 呼吸困難

2: 低体温

3: 頻脈

4: 低血圧

5: 多汗

甲状腺クリーゼ (thyrotoxic storm or crisis) とは、甲状腺中毒症の原因となる未治療ないしコントロール不良の甲状腺基礎疾患が存在し、これに何らかの強いストレスが加わった時に、甲状腺ホルモン作用過剰に対する生体の代償機構の破綻により複数臓器が機能不全に陥った結果、生命の危機に直面した緊急治療を要する病態をいう。

症状詳細
中枢神経症状不穏、せん妄、精神異常、傾眠、けいれん、昏睡、
Japan Coma scale(JCS) 1以上またはGlasgow Coma scale (GCS) 14以下
発熱38ºC以上
頻脈130回/分以上(心房細動では心拍数で評価する)
心不全症状肺水腫、肺野の50%以上の湿性ラ音、心原性ショックなど重度な症状、
NYHA分類 4度またはKillip クラスIII以上
消化器症状嘔気・嘔吐、下痢、黄疸(血中総ビリルビン値>3 mg/dL)

1:肺水腫、心原性ショックなどにより呼吸困難をきたすことがある。

2:正解。38度以上の高熱を呈すことが多い。

3:1分間に130回以上の洞性頻脈や、心房細動などの不整脈が合併している例が多い。

4:低血圧を呈すことがあり、心原性ショックなどの重度な症状には注意が必要である。

5:高熱とともに発汗も多くみられる。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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