解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第16問

急性心筋梗塞の急性期合併症はどれか。2つ選べ。

a: 乳頭筋断裂

b: 感染性心内膜炎

c: 心房中隔欠損症

d: 僧帽弁狭窄症

e: 心室頻拍

急性冠症候群の結果、多数の合併症が発生する可能性があり、疾患発生率と死亡率を増大させる。合併症は大まかに以下のように分類できる。
・電気的機能障害(伝導障害、不整脈)
・機械的機能障害(心不全、心筋破裂、心室瘤、乳頭筋機能不全)
・血栓性合併症(冠動脈虚血の再発、壁在血栓)
・炎症性合併症(心膜炎、心筋梗塞後症候群)

一般的に発症後72時間以内に死に至る電気的機能障害としては、心拍出量を減少させて血圧を低下させるほど速い頻拍、Mobitz II型房室ブロックまたは完全房室ブロック、心室頻拍(VT)、心室細動(VF)などがある。機械的機能障害として、心室中隔穿孔(VSP)、左室自由壁破裂(LVFWR)、僧帽弁乳頭筋断裂(MR)が知られている。

a:正解。乳頭筋が断裂することで起こる僧帽弁閉鎖不全である。突然の逆流により心不全を合併する。急激に進行する治療抵抗性の心不全であり、僧帽弁形成術や弁置換術等の手術が必要である。

b:心内膜に生じる感染症で、主に心臓弁に感染が及び弁破壊と弁膜症を起こす。血流に入った細菌が、損傷のある心臓弁に到達することで発生する。

c:右心房と左心房を隔てる壁(心房中隔)に穴があいている先天性心疾患で、成人においては最も頻度が高い先天性心疾患である。

d:僧帽弁口が狭小化することによって、左房から左室への血流が妨げられる病態である。最も一般的な原因はリウマチ熱で、一般的な合併症は、肺高血圧症、心房細動、および血栓塞栓症である。症状は心不全と同様である。

e:正解。心筋梗塞発症後24時間以内には不整脈を起こしやすい。心室頻拍(VT)、心室細動(VF)は致死的不整脈である。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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