解剖学的死腔が150mLの人が、以下に示すAからEの換気を行った。誤っているのはどれか。
[換気A]1回換気量:500mL、分時換気回数:12回[換気B]1回換気量:400mL、分時換気回数:12回[換気C]1回換気量:400mL、分時換気回数:20回[換気D]1回換気量:300mL、分時換気回数:20回[換気E]1回換気量:400mL、分時換気回数:24回
1: 換気Aと換気Dの分時換気量は等しい。
2: 換気Aと換気Bの分時死腔換気量は等しい。
3: 換気Cと換気Dの分時肺胞換気量は等しい。
4: 1回肺胞換気量は換気Aが一番多い。
5: 分時肺胞換気量は換気Eが一番多い。
解剖学的死腔とは、気道のうち、解剖学的に肺胞が存在しないためガス交換には直接関与しない、鼻腔から終末細気管支までのスペースのことをいう。 正常成人ではこの解剖学的死腔の量は、1回換気量の30%程度を占めている(150mL程度)。
1:換気Aの分時換気量:500×12=6000ml/min、換気Dの分時換気量:300×20=6000ml/minであり、分時換気量は等しい。
2:換気Aの死腔換気量:150×12=1800ml/min、換気Bの死腔換気量:150×12=1800ml/minであり、死腔換気量は等しい。
3:正解。換気Cの分時肺胞換気量:400×20-150×20=5000ml/min、換気Dの分時肺胞換気量:300×20-150×20=3000ml/minであり、分時肺胞換気量は異なる。
4:1回肺胞換気量Aは、500-150=350ml、1回肺胞換気量Bは、400-150=250ml、1回肺胞換気量Cは、400-150=250ml、1回肺胞換気量Dは、300-150=150ml、1回肺胞換気量Eは、400-150=250mlで換気Aが一番多い。
5:分時肺胞換気量Aは、4200ml、分時肺胞換気量Bは、3000ml、分時肺胞換気量Cは、5000ml、分時肺胞換気量Dは、3000ml、分時肺胞換気量Eは、6000mlで換気Eが一番多い。