解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第87問

体表から非接触で体温を測定するときに用いるのはどれか。

1: ステファン・ボルツマンの法則

2: ランベルト・ベールの法則

3: ニュートンの法則

4: フックの法則

5: スネルの法則

生体の熱放散には、対流、伝導、輻射、蒸発がある。物質とその周囲に温度差があれば起こる物理的現象である。安静時の熱放散に占める割合は、対流および伝導が約10%、輻射が約67%、蒸発が約23%と輻射の占める割合が多いが、暑熱下では対流、伝導および輻射が約10%、蒸発が約90%になる。気道および皮膚からの蒸発が増加するためである。
輻射とは、温度をもつ物質が真空中でも電磁波として遠赤外線(約10μm)の形で熱を放散することである。

1:正解。ステファン・ボルツマンの法則とは、熱輻射により黒体から放出される電磁波のエネルギーと温度の関係を表した物理法則である。この法則を利用しているものに赤外線サーモグラフィがある。

2:ランベルト・ベールの法則とは、光の物質による吸収を定式化した法則である。

3:ニュートンの法則とは、運動の法則を基礎として構築した、力学の体系のことである。ニュートンの法則は、物体を重心に全質量が集中し大きさをもたない質点とみなし、その質点の運動に関する性質を法則化し、以下の運動の3法則を提唱したものである。また、これらの法則は、質点とは見なせない物体(剛体、弾性体、流体などの連続体)に対しても基礎となる考え方である。第1法則(慣性の法則)は、質点は、力が作用しない限り、静止または等速直線運動することを示している。第2法則(ニュートンの運動方程式)は、物体が力を受けると、その力の方向・向きに加速度を生じ、その加速度の大きさは力に比例し、物体の質量に逆比例することを示している。第3法則(作用・反作用の法則)は、力は押す側のみの力だけでなく、反対方向にも働いていることを示している。

4:フックの法則とは、ばねの伸びと弾性限度以下の荷重は正比例するという近似的な法則である。フックの法則が近似として成り立つ物質を線形弾性体またはフック弾性体と呼ぶ。

5:スネルの法則とは、波動一般の屈折現象における二つの媒質中の進行波の伝播速度と入射角・屈折角の関係を表した法則である。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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