解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第72問

人工心肺を用いた体外循環について誤っているのはどれか。

1: 体重あたりの適正灌流量は小児では成人に比べて多い。

2: 血液希釈により末梢血管抵抗は低下する。

3: 低体温により血中酸素溶解度は低下する。

4: 低体温によりヘモグロビンの酸素結合力が高くなる。

5: 低体温により血液粘稠度は上昇する。

適性灌流量は、「体表面積×体外循環係数(PI)」から算出する。体温が低下するほど低くなり、体が大きくなるほど体表面積あたりの流量は減少する。一般に28℃前後の中程度低体温では、成人で2.3~2.5L/min/m2、小児で2.4~2.6L/min/m2、新生児で2.4~3.0L/min/m2と言われている。低体温では、動脈圧、脈拍数ともに減少し、末梢血管抵抗は増大する。血液粘性抵抗も体温が下がるにつれ増大し、細動脈収縮もあり臓器血流を減少させる。そのため、通常の開心術では血液希釈法を用いて、血液粘稠度を減らし、血管抵抗を減らしている。

1:一般に28℃前後の中程度低体温では、成人で2.3~2.5L/min/m2、小児で2.4~2.6L/min/m2、新生児で2.4~3.0L/min/m2と言われている。小児では成人と比べて適正灌流量は多い。

2:通常の開心術では血液希釈法を用いて、血液粘稠度を減らし、血管抵抗を減らしている。

3:正解。低体温により血中酸素溶解度は増加する。

4:低体温により酸素解離曲線は左方移動する。低体温によりヘモグロビンと酸素の結合能力は高まる。

5:血液粘性抵抗も体温が下がるにつれ増大し、細動脈収縮もあり臓器血流を減少させる。そのため、血液希釈法を用いている。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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