解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第66問

減圧症とその治療について誤っているのはどれか。

1: 長時間の深い深度での潜水作業後に発症する。

2: 組織内に溶解した酸素が気泡化することで発症する。

3: 神経症状、呼吸器症状、皮膚症状などを呈する。

4: 高気圧酸素治療により、不活性ガスの体外への排出を促進する。

5: 標準的治療方法は、約5時間の高気圧酸素治療である。

減圧症(Decompression sickness:DCS)は、減圧障害の一種で、減圧によって体内にある窒素ガスなどの生理的に不活性なガスが過飽和の状態となり、その気泡が組織内や血管内に形成され引き起こされる障害のことである。高圧酸素療法が、唯一の治療法であり、自然治癒はしない。発症後できる限り早い時期に治療を開始することで、後遺症を最小限に留めることができる。症状として、古典的分類では軽症の減圧症I型と重症の減圧症II型に分けられる。減圧症I型は、掻痒感を伴う皮膚の発赤、大理石斑、四肢の浮腫や関節痛などがある。減圧症II型は、脊髄型(知覚障害、運動障害等)、脳型(意識障害、痙攣等)、肺型(胸痛、咳等)、内耳型(めまい、吐き気等)、その他全身倦怠感や疲労感などがある。

1:潜水終了直前、あるいは潜水終了後に発症することが多いので、潜水病と呼ばれることもある。

2:正解体内にある窒素ガスなどの生理的に不活性なガスが過飽和の状態となり、その気泡が組織内や血管内に形成され引き起こされることで発症する。

3:掻痒感を伴う皮膚の発赤や大理石斑等の皮膚症状、四肢の浮腫や関節痛、知覚障害、運動障害、意識障害、痙攣等の神経症状、胸痛や咳等の呼吸器症状がある。

4:高気圧酸素治療には、窒素の気泡を組織や血液・体液に再溶解させる作用、窒素を身体から排泄させる作用、血流不良部位に酸素を運ぶ作用がある。そのため、高気圧酸素療法は急性期の減圧症には有効な治療方法となる。

5:2絶対気圧で1時間以上、100%酸素を呼吸することを高気圧酸素治療と定められている。 標準的治療方法として、約5時間の高気圧酸素治療を行う。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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