解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午前:第52問

半導体の性質として正しいのはどれか。

1: n型半導体の自由電子と正孔の数は等しい。

2: p型半導体の多数キャリアは自由電子である。

3: 真性半導体ではどんな温度でも自由電子が存在しない。

4: 真性半導体に自由電子を供給する不純物をアクセプタという。

5: 共有結合から自由電子が移動して空になった部分を正孔という。

半導体とは、金属などの導体と、ゴムなどの絶縁体の中間の抵抗率を持つ物質である。半導体は、不純物の導入や熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などの影響で、その導電性が顕著に変わる性質を持つ。この性質を利用して、トランジスタなどの半導体素子に利用されている。伝導現象を支配するキャリアとして電子が優勢である半導体をn型半導体、逆に正孔が優勢なものをp型半導体と呼ぶ。このような優勢なキャリアを多数キャリア、逆に劣勢なキャリアを少数キャリアと呼ぶ。n型半導体での多数キャリアは電子、少数キャリアは正孔である。p型半導体での多数キャリアは正孔、少数キャリアは電子である。

1:n型半導体とは、電圧がかけられると伝導電子や自由電子、ほとんど自由な電子とも呼ばれる電子の移動によって電荷が運ばれる半導体である。価数の多い元素をドーピングすることで作られる。n型半導体での多数キャリアは電子、少数キャリアは正孔である。

2:p型半導体とは、電圧がかけられると正孔の移動によって電荷が運ばれる半導体である。価数の少ない元素をドーピングすることで作られる。p型半導体での多数キャリアは正孔、少数キャリアは電子である。

3:真性半導体とは、添加物を混ぜていない純粋な半導体のことを指す。シリコン等による非常に純度の高い半導体が例である。シャリア(自由電子、正孔)が非常に少ないため、ほとんど電流を流すことができず、絶縁体に近い性質を持っている。熱や光のエネルギーが加えられ、価電子エネルギーが高くなると、その価電子は半導体結晶中に移行して自由電子となる。

4:真性半導体に自由電子を供給してn型半導体にするような不純物をドナー、正孔を供給してp型半導体にするような不純物をアクセプタという。

5:正解。共有結合から価電子が自由電子として移動して空になった部分を孔となる。この孔は、マイナスの電子が抜けているため、電気的にはプラスとなる。この孔のことを正孔という。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
kohをフォローする
スポンサーリンク
臨床工学技士 国家試験 過去問
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました