X線CT撮影について誤っているのはどれか。
1: 装置から発生する音はMRIよりも大きい。
2: 造影剤を使用して血管を強調する。
3: 手術ナビゲーションに用いられる。
4: 患者が動くと像が不鮮明になる。
5: 放射線防護対策が必要である。
X線CTは、X線を照射し、物体が吸収するエネルギー量を全方位計測して内部の3D画像を得る技術である。水を0、空気を-1000としてX線吸収係数を相対的に表したものをCT値という。CT値はそれぞれ、骨:1000 HU、凝固血液:80 HU、軟部組織:50 HU、脂肪:-100 HUである。
1:正解。MRI装置の方が大きい。MRI装置は、目的の断面を画像化するために傾斜磁場が用いられている。傾斜磁場を作るためには電気的に磁場を変化させる必要があるため、空気が振動して大きな音が鳴る。
2:血管からヨード系造影剤を投与して撮像すると、血管走行や虚血部位の特定、血管床が異常に多い腫瘍の識別ができる。
3:CTやMRIなどの画像に基づいて判断しながら行う手術のことを画像誘導手術という。
4:撮影中に患者が動くとアーチファクトが生じる原因となる。
5:医療現場における放射線防護の3原則(時間、距離、遮蔽)に従う。放射線照射時間は、最小限にとどめる。放射線源、散乱線源を意識し、可能な限り距離をとる。放射線防護具(鉛入り防護エプロン等)は、業務上の防護の手段として最も効果的であり、有効に使用する。