経皮的血液ガス分析について正しいのはどれか。
1: 皮下の血流増加のために加温する。
2: 計測には脈波信号が必要である。
3: 赤外線の吸収を計測している。
4: 新生児には使用できない。
5: 侵襲的な計測方法である。
経皮的血液ガス分析は、動脈血を採取せずに動脈血のO2分圧やCO2分圧を測定することができる。皮膚を40〜43℃に加温すると皮膚温の上昇を防ぐために局所の血管が拡張し血流量が増加する。この血流量の増加は毛細管血の酸素分圧の上昇と炭酸ガス分圧の低下を招き、結果として毛細管血は動脈血化する。また、皮膚温の上昇は表皮の死細胞の脂質構造を溶解することにより局所的に皮膚のガス透過性を高める。したがって、加温された皮膚表面に電極を設置し、毛細管から拡散してきたガスの分圧を計測することにより経皮的にかつ連続的に血液ガス分圧が測定できる。
1:正解。経皮電極により、皮膚を40〜43℃に加温すると皮膚温の上昇を防ぐために局所の血管が拡張し血流量が増加する。
2:皮膚を通過する酸素濃度をクラーク電極、二酸化炭素濃度をセバリングハウス電極の原理で測定している。
3:赤外線の照射、吸収や脈波などは必要ない。
4:成人では角質層が厚く酸素の拡散が不十分となるため、採血が難しい新生児領域で普及している。
5:非侵襲的な測定方法である。