図は甲状腺ホルモンの血中濃度を一定に保つネガティブフィードバック機構を示している。何らかの病気で甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下したときの血中ホルモン濃度の変化で正しいのはどれか。
甲状腺ホルモンの分泌量は、いくつものホルモンによって調節されている。代表的なのは、下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン (TSH、チロトロピン) である。甲状腺刺激ホルモンの分泌量は、間脳の視床下部から放出される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン (TRH) によって調節される。甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があり、 甲状腺ホルモンは、脳にある下垂体という臓器から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されている。 甲状腺ホルモンが不足してくるとTSHが増加して甲状腺を刺激する。甲状腺機能亢進症の代表的なものにバセドウ病がある。甲状腺機能低下症の代表的なものに慢性甲状腺炎(橋本病)がある。
1:甲状腺ホルモン(T3、T4)が減少すると、TRHが放出され、TSHが甲状腺ホルモン(T3、T4)を増加させる方向に働く。
2:甲状腺ホルモン(T3、T4)が不変の場合は、視床下部からのTRH放出は変化しない。
3:甲状腺ホルモン(T3、T4)が増加すると、TRHおよびTSH合成、分泌が抑制され、結果として甲状腺ホルモン(T3、T4)合成、分泌が抑制される。
4:正解。甲状腺ホルモン(T3、T4)が減少すると、TRHが放出され、これが脳下垂体に働いてTSH分泌を促し、さらにTSHが甲状腺ホルモン(T3、T4)を増加させる方向に働く。
5:甲状腺ホルモン(T3、T4)が増加すると、TRHおよびTSH合成、分泌が抑制され、結果として甲状腺ホルモン(T3、T4)合成、分泌が抑制される。