血圧上昇の原因となるのはどれか。
1: BMI(bodymassindex)減少
2: 尿中ナトリウム排泄低下
3: カテコラミン産生低下
4: アンジオテンシンⅡ産生低下
5: 血管壁/管腔径比低下
血圧(心拍出量×総末梢血管抵抗)は血管内の血液による圧力で、心室が収縮して心臓内から血液が血管、動脈内に拍出されると上昇する。血圧を決める要素は、心拍出量、末梢血管抵抗、循環血液量、血液粘度、大動脈の弾性である。上昇する要因には精神的緊張、運動、寒冷刺激などがある。
1:肥満者は正常体重者と比べ、約2~3倍多く高血圧症になりやすい。過食や過剰に分泌されたインスリンのために交感神経系が刺激され、血中にカテコールアミンが放出される。カテコールアミンは末梢血管を収縮させる働きがあるため、血圧が上昇する。また、肥大した脂肪細胞から分泌されるアンギオテンシノーゲンという生理活性物質が血管を収縮する働きがあるため、血圧上昇へとつながる。
2:正解。尿中ナトリウム排泄が低下すると血中ナトリウム量が増加し、循環血液量が増加する傾向が生じ、血圧上昇にはたらく。
3:カテコラミンは副腎髄質から分泌されるホルモンである。カテコラミンには、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどが含まれ、心収縮力を高める作用と心拍数を増加させる作用があるとともに、末梢血管を収縮させて血圧上昇をきたす。
4:アンジオテンシンIIが副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からアルドステロンの合成、分泌が促進される。このアルドステロンの働きによって、腎臓の集合管でのナトリウムの再吸収が促進され、体液量が増加する事により、血圧上昇作用がもたらされる。また、バソプレッシン(ADH)分泌が促進され、水分の再吸収が促進されることにより、血圧上昇作用がもたらされる。
5:血管壁/管腔径比低下によって、血管が拡張しやすくなる。血圧が上昇しにくいことを意味する。