解説付 臨床工学技士国家試験 第37回 午前:第9問

ホルモンについて誤っているのはどれか。2つ選べ。

a: 成長ホルモンは副腎から分泌される。

b: バセドウ病では甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が亢進する。

c: バソプレッシンは主に腎臓の集合管に作用する。

d: 副甲状腺ホルモン(PTH)は血中カルシウム濃度を上昇させる。

e: 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は糖質コルチコイドの分泌を亢進する。

ホルモンとは、細胞間で指令を伝達する物質である。
一般的に、分泌細胞から分泌されたホルモンは、血流を介して標的細胞に達し、生理機能の調節などを行う。

内分泌腺ホルモン主な作用部位主な作用欠乏症・過剰症
視床下部脳下垂体前葉ホルモン及び中葉ホルモンの放出因子、抑制因子脳下垂体前葉及び中葉脳下垂体前葉ホルモン、中葉ホルモンの分泌を促進又は抑制過剰:巨人症、末端肥大症
欠乏:小人症
脳下垂体前葉成長ホルモン全身骨、筋肉等の成長促進 
甲状腺刺激ホルモン甲状腺チロキシンの分泌促進 
副腎皮質刺激ホルモン副腎皮質グルココルチコイド等の分泌促進 
濾胞刺激ホルモン卵巣、精巣卵巣、精巣の成熟促進 
黄体形成ホルモン卵巣、精巣黄体形成、排卵誘起 
プロラクチン乳腺、黄体乳腺の分泌及び成熟の促進 
中葉色素胞刺激ホルモン色素胞メラニン色素穎粒の分散及び促進 
後葉子宮収縮ホルモン子宮、乳腺子宮筋の収縮、乳汁放出の促進 
抗利尿ホルモン毛細血管、腎臓血管収縮、腎臓での水分再吸収の促進欠乏:尿崩症
甲状腺チロキシン全身物質代謝の促進欠乏:クレチン症
過剰:バセドウ病
副甲状腺(上皮小体)パラトルモン骨、腎臓骨中Caの溶出促進、Ca排出抑制欠乏:テタニー
副腎髄質アドレナリン血管、肝臓、骨格筋交感神経の刺激、グリコーゲンの糖化欠乏:血糖量の低下
皮質グルココルチコイド全身肝臓での糖新生促進 
ミネラルコルチコイド全身、腎臓腎臓でのNa再吸収及びK排出促進欠乏:アジソン病
生殖腺精巣テストステロン全身、生殖器雄の二次性徴発現、蛋白質同化促進 
卵巣エストラジオール全身、生殖器、乳腺雌の二次性徴発現 
プロゲステロン子宮、乳腺卵の着床、妊娠維持 
膵臓ランゲルハンス島B細胞インスリン全身、肝臓、骨格筋糖消費の促進欠乏:糖尿病
A細胞グルカゴン肝臓、骨格筋グリコーゲンの糖化 

a:正解。成長ホルモンは脳下垂体前葉から分泌される。

b:正解。バセドウ病では甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が、甲状腺を持続的に刺激しホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患である。ネガティブフィードバックにより甲状腺刺激ホルモン(TSH)は低下する。

c:正しい。

d:正しい。

e:正しい。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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