ホルモンについて誤っているのはどれか。2つ選べ。
a: 成長ホルモンは副腎から分泌される。
b: バセドウ病では甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が亢進する。
c: バソプレッシンは主に腎臓の集合管に作用する。
d: 副甲状腺ホルモン(PTH)は血中カルシウム濃度を上昇させる。
e: 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は糖質コルチコイドの分泌を亢進する。
ホルモンとは、細胞間で指令を伝達する物質である。
一般的に、分泌細胞から分泌されたホルモンは、血流を介して標的細胞に達し、生理機能の調節などを行う。
内分泌腺 | ホルモン | 主な作用部位 | 主な作用 | 欠乏症・過剰症 | |
視床下部 | 脳下垂体前葉ホルモン及び中葉ホルモンの放出因子、抑制因子 | 脳下垂体前葉及び中葉 | 脳下垂体前葉ホルモン、中葉ホルモンの分泌を促進又は抑制 | 過剰:巨人症、末端肥大症 欠乏:小人症 | |
脳下垂体 | 前葉 | 成長ホルモン | 全身 | 骨、筋肉等の成長促進 | |
甲状腺刺激ホルモン | 甲状腺 | チロキシンの分泌促進 | |||
副腎皮質刺激ホルモン | 副腎皮質 | グルココルチコイド等の分泌促進 | |||
濾胞刺激ホルモン | 卵巣、精巣 | 卵巣、精巣の成熟促進 | |||
黄体形成ホルモン | 卵巣、精巣 | 黄体形成、排卵誘起 | |||
プロラクチン | 乳腺、黄体 | 乳腺の分泌及び成熟の促進 | |||
中葉 | 色素胞刺激ホルモン | 色素胞 | メラニン色素穎粒の分散及び促進 | ||
後葉 | 子宮収縮ホルモン | 子宮、乳腺 | 子宮筋の収縮、乳汁放出の促進 | ||
抗利尿ホルモン | 毛細血管、腎臓 | 血管収縮、腎臓での水分再吸収の促進 | 欠乏:尿崩症 | ||
甲状腺 | チロキシン | 全身 | 物質代謝の促進 | 欠乏:クレチン症 過剰:バセドウ病 | |
副甲状腺(上皮小体) | パラトルモン | 骨、腎臓 | 骨中Caの溶出促進、Ca排出抑制 | 欠乏:テタニー | |
副腎 | 髄質 | アドレナリン | 血管、肝臓、骨格筋 | 交感神経の刺激、グリコーゲンの糖化 | 欠乏:血糖量の低下 |
皮質 | グルココルチコイド | 全身 | 肝臓での糖新生促進 | ||
ミネラルコルチコイド | 全身、腎臓 | 腎臓でのNa再吸収及びK排出促進 | 欠乏:アジソン病 | ||
生殖腺 | 精巣 | テストステロン | 全身、生殖器 | 雄の二次性徴発現、蛋白質同化促進 | |
卵巣 | エストラジオール | 全身、生殖器、乳腺 | 雌の二次性徴発現 | ||
プロゲステロン | 子宮、乳腺 | 卵の着床、妊娠維持 | |||
膵臓ランゲルハンス島 | B細胞 | インスリン | 全身、肝臓、骨格筋 | 糖消費の促進 | 欠乏:糖尿病 |
A細胞 | グルカゴン | 肝臓、骨格筋 | グリコーゲンの糖化 |
a:正解。成長ホルモンは脳下垂体前葉から分泌される。
b:正解。バセドウ病では甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が、甲状腺を持続的に刺激しホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患である。ネガティブフィードバックにより甲状腺刺激ホルモン(TSH)は低下する。
c:正しい。
d:正しい。
e:正しい。